車中泊の時に快適な睡眠を取るには、シュラフとシェード・カーテンはもちろん大切です。
しかしそれ以前にまず大切なのが就寝スペースの確保です。
凹凸や段差の無いフラットなスペース、広さとしては手足を伸ばせて、かつ寝返りが打てる程度のスペースが望ましいです。
「フルフラット」に近い状態になる車種なら、シートに残る凹凸や傾斜を完全に解消することが望ましいです。
マットでもある程度の凹凸はカバーできますが、就寝スペース自体がフラットになる方が理想ですので、ベッドの導入をオススメします。
車種毎に市販のベッドもありますが、私の場合はイレクターパイプでベッドを自作しました。お金を掛けない分手間と時間が掛かりましたが、機能面では充分満足いくものができました。
説明する車種はスズキ ジムニーJB23系です。年式でも微妙にシート形状が違うので、サイズが変わる可能性があります。
車中泊用ベッドの自作に適さないクルマ
ベッドは、全ての車種に設置出来るわけではなく、シートのリクライニングの状態によってはベッドが設置しづらい車種もあります。
そういった車種での車中泊は難しいでしょう。
必要に迫られて1日だけ車中泊する場合はともかく、これから長期で車中泊を楽しむことを検討されているのであれば、エコノミークラス症候群になるリスクを抱えて車中泊の旅をするよりは、思い切ってクルマの買い替えを検討することをおすすめします。
買い替えであれば、今のクルマの買取価格を事前に調査し、高いところで買い取ってもらうか、買取相場を考慮して価格交渉しましょう。
買取価格は、無料で簡単に調査できます。煩わしい営業電話の心配も無し。
詳しくは、クルマの上手な乗り換えテクニックで説明しています。
自作ベッドの完成写真
まず完成写真からです。
設置時
ベッドを設置した状態です。まずまずの出来でしょ!
合板の上にマットを貼って、ビニールレザーで包んでます。自画自賛ですが、ビニールレザーのおかげで、まるで買ってきたような出来栄えでしよ。
トランクスペースはジムニー定番のアイリスオーヤマ RVBOX 770Fを置き、その上にベッドの板を敷いています。そのままではトランクスペースだけ3cm程高くなるのですが、RVBOXの蓋だけ外せばほぼ同じ高さになりました。
収納時
こちらは、ベッドを畳んで助手席を使える状態にした場合です。
安全のため、運転時はベッド一式を必ず後部座席に仕舞いましよう。
骨組と天板は固定していません。天板の裏面に使い古したヨガマットを貼ることで、寝返りなどでガタついたりしないようにしています。
骨組の足は外せるよう接着してませんが、それ以外は接着しています。
自作ベッドの制作過程
次は制作過程を説明します。
骨組の制作
まずはイレクターパイプで、ベッドの骨組を作ります。
検討する際はネットで他の方がアップされている寸法が随分参考になったので、同じように私も簡単な図面をアップします。
長さはパイプそのものの長さ、括弧で書いている長さはパイプ同士の接続までの長さです。接続部分に記載したアルファベットに対応するジョイントを右上表に書いていますが、小さいので下の表に整理しました。
番号 | イレクター品番 | スペーシア品番 | 個数 |
---|---|---|---|
A | J-5 | PJ-002 | 4 |
B | J-7B | PJ-201B | 1 |
C | J-4 | PJ-001 | 1 |
D | J-12B | PJ-100B | 3 |
E | EF-1200S | JB-401 | 4 |
私はイレクターという製品を使って製作しましたが、同じような製品にスペーシアがあります。スペーシアで製作する場合の品番も記載していますので、スペーシアで製作される場合はこちらを参考にして下さい。
参考にして頂いて全然構いませんが、同じジムニーでも年式、オートマかマニュアルかの違い、シート形状で微妙に変わってくると思いますので、自身で現物合わせをお願いします。
助手席にベッドの骨組を入れたところです。
荷物は必要最小限にしたい為、後部座席はベッドの骨組を組まず、助手席のみ組みました。運転席はそのままです。
実はシフトの後にあるカップホルダーにベッドの右前脚が干渉したので、元の想定より1cm横幅を縮めました。このように何度か現物合わせをしています。
ベッドの骨組の高さは、後部座席を外して背もたれを畳んだ高さを基準にしました。
車中泊時に寝るまでの時間少しでもくつろげるよう出来る限りヘッドクリアランスを確保したいと考えた為です。
助手席ドア側からです。
運転席側です。
目測では天板を置いてもシフトに干渉しないとみていたのですが、実際には1速に入れようとすると、シフトノブがベッドの天板に当たり入りません。
安全のため、運転時はベッド一式を後部座席に仕舞うほうが良いのですが、片付けずに運転するのであればサイズを調整して下さい。
天板の制作
イレクターでベッドの骨組みが完成したので、次はベッドの天板です。
図面というほどでも無いですが一応アップします。
助手席、後部座席、トランクルームの3枚からなります。助手席、後部座席は縦横サイズを同じにし、格納時にピタリ重なるようにしました。
ホームセンターで910mm x 1810mm の合板を買えば、1枚で3パーツ全て取れます。
厚さは12mmにしました。10mmでも充分かと思いますが住宅用の F☆4で一番適切な厚みが12mmでした。
板の状態で室内にセットしたところです。
角は2cm程斜めにカットしています。また周囲はヤスリで面取りしてます。
助手席側からです。
最初はこの板に使い古した銀マットを貼って済ませるつもりでした。実用性では段差がなくなりフラットになるだけで全然違うと思います。
ただ、私は合板を買ったホームセンタでラバーシートを、見つけてしまって…その日はラバーシートは買わずに帰って来たのですが、気持ちは随分買う方に傾いていました。
マットの制作
合板にマットとビニールレザーを張ります。
中のマットはアイリスオーヤマのラバーシートです。
このラバーシートは、910mm x 1820mm x 20mmあるので、合板と同様に1枚で3パーツとも取れます。
厚さが20mmあり低反発マットのような感触です。硬さもそこそこあるので、缶コーヒーなどをマットの上に直に置いても安定していて、倒れる心配はありません。厚さが10mmの製品もあるので、好みで選べます。
本来は養生シートなのですが、素材はPVCとNBRで、どちらもヨガマットに使われている素材なので人体にも悪影響は無いと思います。
カッターで切れるのですが、以外と難しく切断面が波打ってしまいました。
合板とラバーシートは両面テープではりあわせます。
次はビニールレザーです。サンゲツのビニールレザーは、しっかりした生地で値段以上の高級感があります。
合板の大きさに縦横180mmプラスしたサイズで切ります。板とマットの合計の厚みが32mmあるので、約60mmが裏面に回り込みます。幅50mmの両面テープで貼る上で多少ずれたとしても吸収できると考えました。
ビニールレザーはシワやタルミが出ないよう室内で作業しました。床にレザーを裏面を上にして敷き、その上に板を同じく裏面を上にして置きます。表面のレザーとマットは接着しません。後はズレ無いよう板の上に馬乗りになって裏面側のみ板とレザーを接着しました。長辺、短辺、四隅の順で両面テープで留めます。全体を両面テープで留めた上でタッカーで5,6cm置きに留めます。
最後に裏面にヨガマットを両面テープで貼ります。ガタつき防止の意図です。使い古しのヨガマット1枚では助手席分しか取れなかったので、後部座席とトランクルームは同じく使い古した銀マットを貼りました。
自作ベッドの製作費用
トータルの材料費はざっくり12,500円です。
板 1,000円
ラバーシート 3,000円
ビニールレザー 2,500円
両面テープ2本 2,000円
マットを敷かないのであれば、パイプと板のみでざっくり5,000円です。
手間は掛かりましたが、市販品と比べると遥かに安いです。まあ、自分は大いに満足です。
自作ベッドの使用パーツ
矢崎化工 イレクターパイプ
アイリスオーヤマ ラバーシートRS-18920
サンゲツ ビニールレザー
アイリスオーヤマ RVBOX 770F
ジムニーJB23のトランクスペースにピッタリです。後部座席を倒した高さより3cm程高くなるのですが、RVBOXの蓋だけ外せばほぼ同じ高さになります。
最後に
車中泊用のベッドを設置できるか否かは、車種に依存します。
買い替えであれば、今のクルマの買取価格を事前に調査し、高いところで買い取ってもらうか、買取相場を考慮して価格交渉しましょう。
買取価格は、無料で簡単に調査できます。煩わしい営業電話の心配も無し。
詳しくは、クルマの上手な乗り換えテクニックで説明しています。
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